■電気力線の姿
電荷から湧き出す電気力線は、以下の図1のような姿をしている。
 

電気力線.jpg                   【図1】

※この図1は、eknninさんが回答に添付して下さった図を拝借しています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11134701426

中心にある電荷から、まっすぐに放射状に伸びている。
この姿を数式で表現したものが、

●積分形ガウスの法則

●微分形ガウスの法則
●無渦条件
である。

図1から直観的に想像できるように、
「電気力線保存則」は、「正電荷Qから湧き出した電気力線は、負電荷に吸い込まれない限り、増えたり減ったりしない」
「無渦条件」は、「正電荷Qから湧き出した電気力線は、その電荷の周りに電気力線の渦をつくることはない」

という法則である。

具体的な数式は、以下である。


電気力線保存則
■積分形ガウスの法則
∫(面S) E*n・ dS = (1/εo)∫(V内) ρdV
nは、法線方向の単位ベクトル、S は任意の閉曲面、VはS内の任意の領域
■微分形ガウスの法則
divE = ρ/ε
divEは、単位体積当たりの電気力線数(V→0)、ρは、単位体積当たりの電荷量

◆無渦条件
rotE = 0

■予備知識 電気力線数について
まず、電気力線の定義を思い起こしてみる。
「電界の強さEは、単位面積当たりの電気力線数で表される」
さらに加えて、クーロンの法則を思い起こすと、
ある点電荷から距離dにある球面Sを考えたとき、
その球面の電気力線数は、
∫(面S) E dS = Q/εo・・・①
であらわされることを、以下の知恵ノートのように学んできた。
さらに、ガウスの法則も以下の知恵ノートで学んだので、式①は、Qが点電荷でなくても成立することも知っている。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n300975

■divE = ρ/εの証明
ガウスの法則は、①の左辺がきれいな球面でなくても成立することを言っている。
ところで、任意の閉曲面とは、ごく小さな立方体が寄り集まっているものとみなすことができる。
そして、これらの立方体の集まり、すなわち閉曲面からの全発散量は、表面だけを積分した結果すなわち面積分をすれば求まる。

まず、以下のような微小な立方体を考える。
 

立方体.jpg                     【図2】

Xが変化する方向の面(⊿Yと⊿Zを辺とする面)における、xoを含む面(面xoと置く)から湧きだす電気力線数と、xo+⊿Xを含む面(面xo+⊿Xと置く)から湧きだす電気力線数を求めてみる。
すると、まず、面xoにおける湧きだし量は、
Ex(xo,y,z) = Exo + ∂Ex/∂y・(y-yo) + ∂Ex/∂z・(z-zo)
より、
∫∫Ex(xo,y,z)dydz
= (Exo)⊿Y⊿Z + ∂Ex/∂y・⊿Y^2⊿Z/2 + ∂Ex/∂z・⊿Z^2/⊿Y/2
次に、面xo+⊿Xにおける湧きだし量は、
1次の精度で、f(xo+⊿X) = f(xo) + [df(x)/dx]x=xo・⊿X
と近似できるから、
Ex(xo+⊿X,y,z) = Exo + ∂Ex/∂x・⊿X + ∂Ex/∂y(y-yo) + ∂Ex/∂z(z-zo)
より、
∫∫Ex(xo+⊿X,y,z)dydz
= (Exo)⊿Y⊿Z + ∂Ex/∂x・⊿X⊿Y⊿Z + ∂Ex/∂y・⊿Y^2⊿Z/2 + ∂Ex/∂z・⊿Z^2/⊿Y/2

だから、この2つの面から湧きだす電気力線数は、符号に注意して
∫∫Ex(xo+⊿X,y,z)dydz - ∫∫Ex(xo,y,z)dydz
   
= ∂Ex/∂x・⊿X⊿Y⊿Z
となることが分かる。他の4面についても同様に計算して、和を取ると
この立方体からわきだす総電気力線数Etotalは、

Etotal = (∂Ex/∂x + ∂Ey/∂y + ∂Ez/∂z)・⊿X⊿Y⊿Z・・・②
となることが分かる。
②式の意味を考える。
まず、⊿X⊿Y⊿Z は、この立方体の体積である。
そして、(∂Ex/∂x + ∂Ey/∂y + ∂Ez/∂z)が0よりも大きければ、発散していることになる。

また、下図3より、任意の閉曲面から湧きだす総電気力線量が面積分だけで求まることも、理解できるだろう。
 

面積分でいい理由.jpg                     【図3】

この、(∂Ex/∂x + ∂Ey/∂y + ∂Ez/∂z)が、divEの定義である。
よって、この小さな⊿V →0の立方体から湧きだす電気力線数は、
divE・⊿Vであり、
任意の閉曲面Sは、この、⊿V →0とみなせる任意の⊿Vが無数に集まったものと見ることができるから、Sから湧き出る総電気力線数は、
∫(V内)divE dV・・・・⑤
また、別の見方で、このSからわき出る電気力線の総数は、
∬(面S)E・ndS・・・・⑥
と書けるわけだから、⑤と⑥は同じこと(総電気力線)を表すから、
∫(V内)divE dV = ∬(面S)E・ndS = Q/ε
よって上の②式で 体積→0の極限とすることで
divE = ρ/ε
(divEは、単位体積当たりの電気力線数、ρは、単位体積当たりの電荷量)
が成立する。



∬(面S)E・ndS=Q/εの証明
本当は最初、私はこれをベタで計算して、証明しようと思っていたのですが、以下のQ&Aで
imahome2004さんの解法に感銘を受けたので、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10135025605
この方の解法をご紹介したいと思います。

ガウスの定理を考える閉曲面をS、Sが取り囲む体積をVとする。
ここで、予備知識②を根拠に、Vを無数のごく小さな立方体に分割してそれぞれi=1,2,3,・・・と番号を振る。
以下Σはiについての和とする。
すると、
∬(面S)E・ndS=Σ(∬(面Si)E・nidSi)・・・・④
と書くことができる。
ni,dSiはi番目の立方体の表面の単位法線ベクトルと面素を示す。

左辺は、その任意の閉曲面S上の法線ベクトルn方向のEの成分の面積分だから、その閉曲面Sを横切る電気力線の数を示している。
そして、右辺はni,dSiがi番目の立方体の表面の単位法線ベクトルと面素
を表すわけだから、これもやはり、それぞれの小さな立方体からの電気力線の本数を合わせたものになる。
上記の証明より、右辺の立方体のとなりあう面で符号の反転する積分の和は0となり結果的に表面での積分だけが残ることが言えるので、④式が成立するのである。

さらにここで、dViをi番目の立方体の体積と定義する。
そして、
divE=lim[ΔV→0](∬(面S)E・ndS)/ΔV
である。
(これの意味する所は、単位体積当たりの発散量で、ガウスの積分形の→0の極限である。)

すると、
Σ(∬(面Si)E・nidSi)=Σ{(∬(面Si)E・nidSi)/ΔVi}ΔVi
=Σ(divE)iΔVi=∫∫∫(V内)divEdV
と書きなおすことができ、
divE=ρ/ε
は上で証明しているから、
∬(面S)E・ndS=Q/ε
で、積分形ガウスの定理が証明できた。